自由詠
2018-08-28開催(麹町)/第233回参加歌 歌順10番
何十個もの時計を
閉じ込めた部屋
時計は個々に
狂い
時間は無意味なものになる
5件のコメントがあります
ある集まりにいて、何人もが腕時計をしているけど、その時計が
全部同じ時刻を指しているとは限らないだろうなと、ふと考えました。
時計が微妙に違う時刻を指しているように、違う考えをもったこの人たちを
密閉した部屋に閉じ込めたらどうなるのか、と変なことを考えてしまったのでした。
読めば読むほど深い歌なのだと
じわじわと迫ってきました。
皆さんのコメントにもフムフムと
頷きながら味わっておりまする。
閉じ込められた時計は、意味のある場所で意味のある事をさせてもらえずに狂って行く。
時計が生命体のようで時計の墓場を想像してしまった。哲学的な実験を試みた、とても
深い詠だと思いました。
不思議な空間にいます。時計本来の役目はどうでもよくなっています。
しかし止めるわけにはいかない。動いて狂ってこそ生きているのが時計だから。
そんな部屋があるとしたら、いえ、あるんでしょうけど、クラクラしそう。
一個だけ部屋に置かれてこそ使う人にとって意味を持ち始めるのが時計。
私は基本的に多様な価値観が混在する空間が好きですが
多様化が進み過ぎて暴走し
個人個人が それぞれの尺度や規範だけで行動するようになったら
そして、時間の基準までが それぞれの時計(その所有者)で変わってしまったら…
どんな世界になるんだろう
危機的な未来に警鐘を鳴らす歌のように思いました
☆☆
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