2019-11-26 第248回参加歌

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自由詠

歌順1番 第1席

かおる

心の中の
大根おろし器が
ぎしゃぎしゃと
聞きたくない言葉を
おろしてゆく

歌順2番

柳瀬丈子

耳寄りな話
持ち込んでくる
いつもの
あの人の
あの目つき

歌順3番

赤井 登

お遍路仲間
七人が
斑鳩に集合
男五人の頭
みんな 坊さん

歌順4番

山碧木 星

冬空を背に
大クレーンの運転席
風の音
人の波って
どんなだろう

歌順5番

今井幸男

カー用品売り場の横にある
ペットショップの猫
夜中にエンジンオイルを
舐めている
あぁ、夜食なのね

歌順6番

範子

悔やんでも
悔やみきれなくて
夜空をあおげば
三日月が
微笑んでくれた

歌順7番

吉野正則

努力の結晶が並ぶ
作品展
観賞途中で窓に目をやる
と、そこには
自然の作品も

歌順8番

寒苦老

月の光
キラキラと
耳にこぼれ
心の中
輝き満ちる

歌順9番 第3席

関口有美

日本の
夏を
世界が知る
2020年
冷や汗かきそう

歌順10番

コバライチ*キコ

活版の匂い
懐かしく
芳しく
不意に蘇る
恋 もあった

歌順11番

平澤 薫

人には優しく
自分に厳しく
謙虚で驕らず       *驕=おご
幸運は笑顔から
嫁ぐ娘に 母の一言

歌順12番

数かえる

私は虫
潰される命なら
それも寿命さ
前世、来世の
夢はみない

歌順13番

青木栄子

響く響かせる
生命の鼓動
膜を揺るがせ
空気を伝う
和太鼓が心を打つ

歌順14番

酒井映子

日の丸振って
バンザイだなんて!
天皇陛下万歳と
死んでいった
若者を忘れるな

歌順15番

田中きみ

冬だからこそ
いいんです
古里の雪景色
山の中の露天風呂
いってきまぁす

歌順16番

観月

夕食の支度を
終えて気付く
食卓に並べてるのは
母の得意料理
父の好物

歌順17番 第1席

大貫隆志

信念は亀の甲羅
身を
守るようであり
身を
縛るようであり

歌順18番 第2席

藍弥生

耳が遠くなって
不便なようで
いいことも
同じだけあるの
義母の名言

歌順19番

町田道子

LINEに
飛び込んできた
お元気ですか ?
の 文 字
まだ 繋がっていたのだ

歌順20番

青空へ
今旅立つ友を
神田ニコライの鐘
晴れやかに
送り

歌順21番

大橋克明

組織が
肥大化すると
かなり重要なことでも
瑣末に          *瑣末=さまつ
処理されてゆく

歌順22番

はなちゃん(欠)

線路の脇を道路が走る
俺が先だと
線路が言う
いっしょにお願いと
道路が言う

歌順23番

西部 稔

観念した
鮟鱇は
肝の据わった
面構え
鮟鱇は美味い

歌順24番

岡本まさ子

こはるは
小春
風の冷たさに
亡き人を
しのぶ

題詠 「耳」

歌順1番

かおる

囁きなんか
いらない
そんなもの
耳飾りに
くれてやる

歌順2番

柳瀬丈子

膝枕して
耳掻きしてる午后
そのまんま
寝たふりなんかして…
―もう、済みましたョ

歌順3番

赤井 登

ずーっと
耳だけを
見ていると
人間は
宇宙人になる

歌順4番

山碧木 星

三番目でもいいから
なんて
口説き文句を
耳もとに
されて

歌順5番 第1席

今井幸男

聞き耳を立てれば
真心と魔心が
ひそひそ話している
今日も
わたしの胎内で

歌順6番

範子

そ〜〜っと
お菓子の袋を破ったのに
聞き耳をたてて
眠っているのか
愛犬飛んでくる

歌順7番

吉野正則

油のお風呂にダイビング
サッと揚げたら
砂糖のシャワー
メッチャうまい
食パンの耳

歌順8番

寒苦老

耳にのこる
あなたの声
甘く切なく
いつまでも
いつまでも

歌順9番

関口有美

私の耳の幸せ
家の前で遊ぶ
子供たちの
元気が聞こえる
聞こえる

歌順10番 第3席

コバライチ*キコ

耳ふたひら
閉じたり
火照ったり
別の人格
もつような

歌順11番

平澤 薫

湯気のむこう
グツグツ
コトコト
耳に美味しい
幸せの『ふぐちり鍋』

歌順12番

数かえる

耳の淵をなぞり
その奥の
渦巻きを辿る
その奥の 奥に
あなたを貯める

歌順13番

青木栄子

徳利の
首を摘んで
あちちちち
耳に手をやる
君がいい

歌順14番

酒井映子

耳が遠くなり
話もかみ合わない
手を握って
別れる
六十年来の友

歌順15番

田中きみ

歌友が逝った         *歌友=とも
一回り歳上の先輩
大人な男性だった       *男性=ひと
おだやかな声
耳に残る

歌順16番

観月

ハロウィンの仮装
猫耳が
めっちゃ似合うキミは
間違いなく
前世はボス猫

歌順17番

大貫隆志

寝る
ネズミの
寝耳に水
水音
耳に響く

歌順18番 第2席

藍弥生

小耳に
はさんだ
ことって
大きくなるから
不思議

歌順19番

町田道子

言葉に
魔法をかける
耳元の
囁き
おんなじ言葉つかって

歌順20番

アンテナすくっと
青空へ向け
山の子等
瞬時に耳を
そばだてる

歌順21番

大橋克明

耳よりな
話しだと思って
乗った話
いつもの事だが
やっぱり余多話しの類い

歌順22番

はなちゃん(欠)

ヤッホー どこいこう
ワクワク なにしよう
目も耳も ガタガタだけど
ときどきは ドキドキしたいね
最後は イェーイって言えるかな

歌順23番

西部 稔

王様の耳は
ロバの耳
奥方様の耳も
姫様の耳も…
壺が足りない

歌順24番

岡本まさ子

ドッグイヤー
付いてるのに
読んだ
記憶がない
わが耳ひっぱる