2018-10-23 第235回参加歌

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自由詠

歌順1番

範子

大豊作の我が家の柿が
色ずくのを
待っている
カラスとハクビシンと私
知恵比べはじまる

歌順2番 第3席

田中きみ

隙間風も
あってよし
老夫婦の
居間の空気
動かして

歌順3番

山碧木 星

何してるわけでもないのに
追われているよな
心許なさ
カレンダーばかり
見ている

歌順4番

はるか

嫉妬という
厄介な感情
もう恋はしないと
決めていたのに
また嫌な女になって行く

歌順5番 第3席

渡邉加代子

誰にも気づかれない
その苦労
どこにも違和感なく
「ふつう」に
見えるという完成形

歌順6番

萩原多恵子

ススキの原は
EXILEダンス
西陽に
はしゃぎ
冬を待つ

歌順7番 第1席

かおる

待ち合い室に
骨も内臓も
透け透けの熱帯魚
私はこれから
バリウム飲むのさ

歌順8番

今井幸男

ヒダ ひだ 襞
襞の谷間を転がる
ちいさな神は 襞毬の神   * 襞毬=ひだまり
日溜まりのように
あ あったかい

歌順9番

吉野正則

心得てはいても
抑えきれないのよ
それが
のむ、うつ、かう、の
三カ条

歌順10番

神原美嘉

秋の夜長になにしようか
運動でもしますかな(?_?)!
食べてからやりますか
結局食欲の秋
んっ? 春夏秋冬

歌順11番

秋葉 澪

靴まで飛んでった
缶蹴り
勇み足の完了に
途方に暮れた
あの片方を今探している

歌順12番

柳瀬丈子

無為の
一日を過す      *一日=ひとひ
天の産湯に
つかっている
心地して

歌順13番

可不可

あなたはまた
ひとり夜間飛行
私は縁側でまちぼうけ
いつの間に
時差ができたかな

歌順14番

観月

知り合いかも?
SNSの問い掛けに
いいえ
指を絡めた
オトコです。

歌順15番

藍弥生

毎日同じ
繰り返しなのに
小さな変化が
垣間みえる
瞬間がうれしい

歌順16番

町田道子

その沈黙は
是か
否か
幽かな笑みを
見逃しはしない

歌順17番

浜畑祐子

十月の
雑木林の
まんなかで
まったりと
フルーツティー

歌順18番

はなちゃん

瀬戸内の
柔らかい日差しは
子供時代の歯車を回す
これはそう
あれはちがうよと

歌順19番

酒井映子

「今夜は酒池肉林だね」
と 十二歳にやり
お主 わかっているな
肉も酒もある
食卓

歌順20番

寒苦老

欲張らない
生きていければ
それで良い
この世に
残すものなし

歌順21番

大橋克明

あなたの
強烈な
峻別に
耐えられる私ではなかった
でも 次の邂逅の機会には

歌順22番 第3席

小田明子

芝生の上で花嫁が
カメラに囲まれている
お父さんは
群れから少しはなれて
松の幹をさすっている

歌順23番

嬉しそうに云われる
ありがとう

物忘れに
けりをつけ

歌順24番

赤井 登

鳥影
足元をかすめる
思わず視線は上に
鳥は無く
一面は拡がる青の秋

歌順25番

コバライチ*キコ

ニライカナイを
待つのではなく
取りにいく
民意が示した
琉球国の矜持

歌順26番 第2席

数かえる

男の脳ミソは
単純がイイ
美味いとか
好きだとか
きっと毒にも鈍いから

歌順27番

関口有美

宇宙旅行の夢は
かないそうもないから
死んだら
あの世に行かず
宇宙へ羽ばたく

歌順28番

高原伸夫

九電の驕り
発電量が増えてるから
太陽光を抑えるという
電力会社は原発と
心中したがっている

歌順29番

岡本まさ子

安静にせよ
アンセイニセヨ
アンセイのタイゴク
と 唱えて
一人笑う

歌順30番

高原美智子

恋は
人生の花
思い出の中に
ほのかに
香る

題詠 「一日」

歌順1番

範子

嫌なことは
一日 一日と伸ばし
いいことは
一刻も早くと焦る
これが私の性と開き直る  *性=さが

歌順2番

田中きみ

大切な 一日     *一日=いちじつ
たった数分
交わした言葉
一生味わう
滋味となる

歌順3番

山碧木 星

そんな一日も
ありました
ありました
あったか御飯に包まれて
想い出一つ おむすびのなか

歌順4番

はるか

誰にでも
特別な一日を
輝かせる為の
平凡な毎日
がある

歌順5番 第3席

渡邉加代子

あんな物語にも
嬉しい一日があったのだ
タンスの奥の服
手入れして
また仕舞う

歌順6番

萩原多恵子

いれたての
コーヒーの香り
のんびりでもなく
いそぎでもなく
1日は夕暮れに向かう

歌順7番

かおる

一日中
追っても
逃げられてしまう
今日の自分
明日は明日追う

歌順8番

今井幸男

あの日が まるごと
心地よい一日になって
しまったのです
あの一瞬が有った
それだけで

歌順9番

吉野正則

今日やることは
きょう中にやる
一日伸ばしは
時間の
泥棒

歌順10番

神原美嘉

ずっと一緒にいると思ってた
誰よりも大好きで
誰よりも幸せ が
一日で憎悪の渦
闇と光はいつでもオセロ違いだった

歌順11番

秋葉 澪

喉に込み上げる
感情の息を止めて
一日
回すに徹する
喪主を務めた日

歌順12番

柳瀬丈子

師の歳も父の歳も
越えてしまったー
いまは 三つ違いだった
あなたを越えていこうと
この一日を生きる

歌順13番

可不可

秋だって
一日は24時間
年中同じだよ
だんだん昼が短くなる
これからの私たちだ

歌順14番 第2席

観月

朝の通学路
君の後ろ姿を
探すことから
僕の一日は
始まってたんだ

歌順15番

藍弥生

せつない日
悔しい日
たのしい日
どの一日がなくても
今の私ではない

歌順16番

町田道子

ずーっと
時が
過ぎてしまったような
夜もある
一日が 逝ってしまった

歌順17番

浜畑祐子

一日の
終わりに想う
今日のこと
心に
付箋を貼っておこう

歌順18番

はなちゃん

悔いのない
一日一日を
と 兄の想い
花嫁69歳初婚
花婿82歳再婚子供無し

歌順19番

酒井映子

カサッ
新聞受けに微かな音
夜明けには
間があるが
今日の一日が始まる

歌順20番

寒苦老

一瞬でいい
しあわせな気持ち
感じたい
一日
また一日

歌順21番

大橋克明

一日の終わりの儀式は
焼酎水割り三杯と
鬼ころしを二合
それで 浅い眠りと
果てない夢をむさぼる

歌順22番

小田明子

日一日ごとに秋めいて
などと ご挨拶
せぬままに
過ぎゆく
この秋

歌順23番

どう使っても
一日の
あっ
という間の
秋の暮れ

歌順24番

赤井 登

靄立ち込める
御岳山
歩きもせずに
ただ ひたすらに飲む
雨の一日

歌順25番

コバライチ*キコ

一日も早く
〇〇しよう
人生の密度は
〇〇の数で
決まるわけではないけれど

歌順26番

数かえる

あの恋の
始まりの1日を
消せたなら・・・
例えの後悔を
現在に映す 

歌順27番 第1席

関口有美

やさしい気持ちが
一日もたない
介護という
先の見えない
日々

歌順28番

高原伸夫

明日から
元の身体に戻れるか
期待が膨らむ
ストーマ暮し最後の
秋の一日

歌順29番

岡本まさ子

まずは
一日を
ゆっくり生きてみよう
あ・き・が・き・た と
もの噛むように言ってみよう

歌順30番

高原美智子

一日一日と
傷は
癒えてゆく
人間の身体の持つ
逞しさを見ている