2020-05-26 第254回参加歌

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自由詠

歌順1番

1

ニットのノースリーブを着て
初夏の日射しを浴びれば
二の腕が
光合成を始める
みずみずしい若葉のように

歌順2番

2

人のせいにしない
自分に嘘をつかない
自分との約束を守る
人を応援することが
幸せに通ずる道と知る

歌順3番

3

真夜の警報音
地鳴 激震
恐怖で枕に金縛り
自然破壊で
怒号する地球

歌順4番

4

大丈夫
あたし大丈夫
誰もいない部屋
Siriにだけ
弱音をこぼす

歌順5番

5

毎日の散歩
新しいこと一つずつ
発見!
海を見下ろす冒険の道や
3mmの小花の花畑

歌順6番

6

五月の風は
青いよ
透明になった
わたしのなかを
吹き抜けていく

歌順7番

7

あさやけ
あさもや
あおぞら
あなた。
「あ」のつく好きなもの

歌順8番

8

かくすものは
何もありません
この透きとおった体
白いにごりは
くらげの さが なので

歌順9番

9

からみ合う
生命の系統樹
ヒトゲノムの8%は
ウィルス?
混沌をかかえ込んでいる身体

歌順10番

10

東北新幹線下り
緑は深く眩しいのに
駅弁は美味しいのに
涙が溢れる
乗客は私一人

歌順11番

11

手漉き和紙の
自然な紙端
ほっとする人も
言葉の端が温かい
さよならじゃなくまたね

歌順12番

12

夜の海辺で静かに奏でる
波しぶきの旋律にも似た
あなたのやさしい寝息
今はもう 聞こえる筈
ないのに、ね

歌順13番

13

そんな男なら
止めちまいな!
女丈夫の剣幕に
大声で笑う
お腹の底から笑う

歌順14番

14

支持率27%
「底打った
V字回復だ」
能天気政権の
未来や如何に

歌順15番

15

久々の
江戸川散策
青い空に澄んだ風
一体コロナはどこにいる?
寅さんに聞いてみるか

歌順16番

16

君の
あたたかなむね
冷たい背中
この手は
おぼえている

歌順17番

17

褒められると
もっと褒められたくて
頑張っちゃう
ゴールのない道を
スキップして転んで歩いてる

歌順18番

18

なんて五月なんだ
悲しげな鯉のぼり
子供のいない園庭で
ソーシャルディスタンス守って
泳いでる

歌順19番

19

グーグーと
ハラペコ虫が
鳴いてから
食事にしたいが
近頃 鳴いてくれない

歌順20番

20

いつまでも
元気でいてね
のハガキに
お手紙ちょうだい
が最期の会話

歌順21番

21

鎖された五月
レースのカーテンが
あまやかな
風を
抱いている

歌順22番

22

どれほど技術が
進歩しても
人と人との間でしか
存在できない
人間というもの

歌順23番

23

いのち 輝く
新緑
つつじ
もんしろちょう
ヒトは不要

歌順24番

24

百年前
日本へ渡って来た
西班牙風邪            *西班牙=スペイン
二年目の方が致死率が高かったと
記録されている

歌順25番

25

今日もまた
昨日と同じ
家の中
明日もコロナ禍
人恋し

歌順26番

26

ちぢに物こそ
悲しけれ
マスクから
補償までも
小さ目大好き

歌順27番

27

手書きの
三行半と         *三行半=みくだりはん
パソコンで打ち出した
ラブレター
どっちが、ほしい?

歌順28番

28

初夏の緑
一斉に
ラの音で
歓び
歌い始め

歌順29番

29

たこ糸で
ぐるぐる巻きに
締めあげ
ボンレスハムみたいな
体型のお嬢さん

歌順30番

30

人を恋うる想い
蓄えて
次逢うときは
うんと
うんと優しく

歌順31番

31

幸運を
手繰り寄せるには
まっすぐ
生きて行く
ただ それだけ

歌順32番

32

準備中から
営業中へ
プレートを返しただけで
気持ちが
変わる

歌順33番

33

放課後の教室
もううんこが
間に合わないと
泣いている

題詠 「手」

歌順1番

1

さあ出せ もっと出せ と手切れ金を
ぶったくられまくってる人類
見境もなく
そんなもんにまで
手を付けるからだよ

歌順2番

2

ともに生きることは
手をさしのべること
手を繋ぐこと
手の温もりに
嘘はないから

歌順3番

3

音を失い
声も無くした友
唯一 手が語る
心の声で
手話が命を繋ぐ

歌順4番

4

終了のゴングが鳴り
照明も消えて
対戦相手も居ない
それでも一人
リングに立ち続ける

歌順5番

5

左手の親指
ばね指になって
初めて
しみじみ
労っている

歌順6番

6

じゃあね と
手を振る
街のかど
人生はいつも
ちょっぴり寂しい

歌順7番

7

利き手
利き足
利き耳どっち?
意外と知らない
利き目どっち?

歌順8番

8

幹から
5本の枝が出て
くねくねと
動き よく働く

歌順9番

9

補償金イロイロ?
本気なら
手続きは簡略に
-手早く支給を!
手遅れにならぬよう

歌順10番

10

恋人繋ぎの
指先から
こぼれてるよ 退屈
君の手は
とても正直だ

歌順11番

11

巧妙な
手練手管
見通してしまえる

など会ったことがない

歌順12番

12

手懐けられた
奥手のあたし
手を引くなんて
何て得手勝手
挙げ句、手切れ金?

歌順13番

13

ねぇ、知ってた?
手を繋ぐまでの
まどろっこしさを
恋、って
呼ぶらしいよ?

歌順14番

14

消毒したか
石鹸で洗ったか
コロナの日々
働いていないのに
じっと手を見る

歌順15番

15

コロナウイルスに
色を付け
手づかみにして
ポリ袋
本日 生ごみ回収日

歌順16番

16

この手がふれた
ものやひとの
てざわりが
いきていた
実感

歌順17番

17

帰り際に
手を握る
しっかりと・・
淋しいのは
ワタシだ

歌順18番

18

殺すのも 救うのも
壊すのも 創るのも
捨てるのも 拾うのも
愛する人を 愛撫するのも
手 なんだよなあ

歌順19番

19

少し汗ばんでいた
手と

フォークダンス
正しく踊れなかったな〜

歌順20番

20

こんなことで
せかいがひとつに
なるなんて
手も
つなげやしない

歌順21番

21

誠実に
生きてきた職人の
手に
降りてくる
神様

歌順22番

22

あの手この手で
生き残りをかけるウィルス
人の弱みにつけこむ
繋がりあいたいと
欲する人の

歌順23番

23

手に負えない
 とは言わせない
八方手を尽くせば
打つ手もあろう
このウイルスに

歌順24番

24

黒い手を使うのが
せめて
為政者の長でないことを
願っている
その国の一人の民として

歌順25番

25

君に
さよならと言った
あの日の
手のぬくもり
忘れない

歌順26番

26

手は打たず
口だけ出すの
日本診断
晋三疾患と
人は言うなり

歌順27番

27

右隣とは
手をつなぐが
左とはつなげない
なぜ?
そういうものなので

歌順28番

28

濃く淡く
緑 五月の調べ
手を上げて
タクト
振りたくなるような

歌順29番

29

性悪る女に
手もなく
捻られた         *捻=ひね
四十がらみの
純情おやじ

歌順30番

30

プラネタリウムの星が
落ちてきそうだったから
重ねられた
手の温もり
そのままで

歌順31番

31


折れそうなとき
掬いあげてくれる
魔法だ
君からの手紙は

歌順32番

32

花一途
つないだ手は
移りゆく
時と並んで
いつまでも

歌順33番

33

聞き上手って
つまらない話を
面白そうに聞く
人のこと?
まっぴら御免だ