2026-04-28 第325回参加歌
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自由詠
歌順1番 第5席
夕日を
十輌編成の電車が
横切る
あれに乗って
かえりたい所がある
歌順2番
どこへ
向かっていくのだろう
ふわふわふあん
私の身体も
あちこち戦火
歌順3番 第1席
人の話を
聞いてない夫と
興味ないと言う息子と
理解できない猫と
孤独に暮らす
歌順4番
洗髪台から
天井を仰ぐと
キラキラと諭す
シャンデリア
「嘘は程々にしなさい」と
歌順5番
今日やったこと
書いておく
あっという間に
過ぎていく
毎日に
歌順6番
目を潤す
北参道の若葉たち
西新宿の匂い風
まじかな五月が
巻き込まれていく
歌順7番 第3席
過ぎた道に
後悔は多いけど
二度と通らないのだ
忘れちゃお
人生は片道キップ
歌順8番
出会った人たちの
いとおしさ
いさかいの
思い出さえ
特別のかおり
歌順9番
ピアノの音が
少しずつ上がり
今日から
春の歌ですよと
誘って来る
歌順10番
誰も手をかけないのに
今年も来たよ、と
笑ってる
風にゆれる
ハナニラたち
歌順11番
困った 困った
ムクドリ母さん
我が家の換気扇口で
マイホーム作ちゃった
只今子育て中
歌順12番
並走する快速電車に
追い抜かれても
慌てない
そんな気分の
リハビリ生活
歌順13番
地の底から湧き上がる
原始の声だ
わっしょい わっしょい
神輿を担ぎ
やがていつしか祈りの声に
歌順14番 第4席
友の数を
数えれば
ふやふやと曖昧で
それでも
ふやふやと長続き
歌順15番
季も盛りを越え
丸く膨らんだ晩春の夕暮れ
七分前のやわらかな色を
西の果てへと連れ去り
ぽちぽちと夜の光
歌順16番
電話もない
メールもない
カバが
水面から目
だけ出している
歌順17番
大きく腕を振り
園児たちは
全力で疾走する
五月の
風の中を
歌順18番 第5席
瀬戸内の
風を纏った
甘夏みかん
君は 元気か
と 問いかけてくる
歌順19番 第2席
努力が必要な
歳なのに
努力が面倒な
そんな
歳になりました
歌順20番
役者
ばかりではない
演じる内に
本物になる
何気なさ
歌順21番
削られる
身になってみろ
鰹節
お前は
まだまだ
歌順22番
葉脈をなぞって
てっぺんまで来た
ナナホシテントウムシ
さっと背中を割ると
とんでいった
歌順23番
私にとって
明日はオマケ
いつ逝っても
悔いの無い
生き方してるから
歌順24番
色エンピツ
削りながら
何色にしようかな
そんな時間が
案外宝物
歌順25番
古里の山河に
会いに行く
春 雪解けの水
たっぷりと流れる
川が好き
題詠
歌順1番
思い出は
加筆削除されている
そう気づいてからは
本当はどうだったのだろう
なんて思ったり
歌順2番
繁栄の
むこうに
武甲山の哀しみ
削られ 切り出されて
いずれ 名のみ
歌順3番 第4席
学年が変わると
新しい鉛筆を
削ってた
その匂いは今でも
私の春の匂い
歌順4番
スプーンで削られた
お子様ランチの
オムライスやプリンが
大人の現実だ
可哀想に夢の顛末
歌順5番 第2席
あっちを削り
こっちを
削って
まあるくしたい
君の性格
歌順6番
削いで 削いで
詠んでみた
まだ重いと独り言
もうダメ!
歌が悲鳴をあげる
歌順7番
跳ねる魚を
押さえつけて
命を削ぎ取った
刺身だ
充分に味わってくれ
歌順8番
子供の頃の
お手伝い
削り節を けずる
なかなか
手ごわかった
歌順9番
トーストの焦げたのも
上手に削り
穏やかな空の下
食卓を囲む者等も
おだやかにして
歌順10番
父が小刀で
一本一本
削ってくれた鉛筆が
ガンバレヨと励ます
月曜日の1時間目
歌順11番
テストの前夜の
懐かしいルーティン
鉛筆削りで始まり
諦めとため息で
ベットに倒れ込む
歌順12番
とっくにバブルは
終わってるのに
人口減っても
予算は削らない
"知足"忘れた為政者
歌順13番
削ったり
穿ったりしてこそ
見えてくる
本質
というもの
歌順14番
曲がり角があれば
曲がりたくなる
だから
削って削って
不器用だけど一本道
歌順15番
善きライバルとは互いに磨かれ
悪しき関係では
疲弊し互いに削れていく
人間関係の薄れた
現代なら なおさら
歌順16番
経費削減
人員削減
俺がやめれば
いいんでしょう
くたばっちまへ
歌順17番
ふぁっ ふあっ
ふわぁ~
日本橋
だし場(bar)の
削り節
歌順18番 第1席
削っても
削っても
むくむくと
増殖する
欲 というもの
歌順19番
削ぎ立つ
溶岩の
ひび割れから
大地の唸り
轟く
歌順20番
心で削除する筈の
うっかり発言
あえての発言
青くなるやら
汗をかくやら
歌順21番
削っても
削っても
人間は
エンピツに
なれない
歌順22番
版木に埋め込まんばかりに
額をよせ *額=ひたい
削る削る
志功は削る
裸婦の胸を腰を眼を *眼=まなこ
歌順23番
ちょこっと夢みて
削るくじ
六枚
全部ハズレて
空あおぐ
歌順24番
パソコンなら
ボタンひとつで
一括削除ですっきり
自分のこころは
そうもできなくて
歌順25番 第3席
自分の
何を削れば
辿り着けるのか
本当の
芯に

