2019-05-28 第242回参加歌

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自由詠

歌順1番

数かえる

三七度五分
微熱は意地悪だ
浅い眠りと
身体の渇きで
あなたが欲しくなる

歌順2番

赤井 登

五月の中に
堂々と
何時の間にやら
酷暑
土俵上

歌順3番

関口有美

匂いをたてる
色をかえる
私よ
わたしをお食べなさい と
熟れ競う

歌順4番

コバライチ*キコ

我が庭の
いちばん寝坊の
百日紅
おそ春の日に
柔き芽を出す

歌順5番

はるか

泣きたい気持ちを
紙で切った
指先の痛みに
紛れ込ませて
眠る

歌順6番

寒苦老

一日
一日
人生
これ
初舞台

歌順7番

吉野正則

釣りに出たきり
帰ってこない
心配していたら
折れた竿かついで
朝帰り

歌順8番

観月

時に愛は
人を枯らす
まるで
過ぎる日差しが
肌を痛めつけるみたいに

歌順9番

柳瀬丈子

立って漕ぐ
久々のブランコ
蹴り上げる大空
青の中へ
ダイブだ

歌順10番

範子

「和名トチノキより
格好いい名前でしょ?」と
マロニエの囁きを
聞きながら散歩する
スイスの並木道

歌順11番

可不可

あら 各停
快速に乗り換えた
つもりだったのに
またやっちゃった
こんな人生ヤメタイ

歌順12番

浜畑祐子

太古の裂け目より
漏れてくる
息吹き
チェロの音ように
ずんとくる

歌順13番

今井幸男

ぐいぃぃ〜ん
工事現場
やわらかな
女の膚が
火色に染まる

歌順14番 第3席

山口敦子

赤子の
澄んだ
目のなかに
映る
わたしと広い空

歌順15番

三根政信

もしやあなたは
もしやあなたは
宇宙人
パラリロポラリロパラリリン
わー

歌順16番 第2席

萩原多恵子

お玉で
すくうように
貴方のアクをすくったら
お澄ましに
変わったかも

歌順17番 第1席

はなちゃん

ダンゴムシさがそ
お水をあげると
アハハってわらうんだよ
ちっちゃい赤いじょうろから
あふれる二歳児のことば

歌順18番

青木栄子

静かな静かな故郷の夜
空に瞬く星屑と
白く青く浮かぶ月
抱かれて眠れば
夢はつきない

歌順19番

町田道子

時として
過去を
抹殺したいと思うときも
ある もの
でも こうして今に繋がってもいる

歌順20番

藍弥生

見舞客から
千疋屋のメロン
もらったら
もう終わりに近いと
つぶやいていた父

歌順21番

田中きみ

前世も来世も
別の人生だと
夢を見られる
輪廻転生の教えは
お気に入り

歌順22番

かおる

白い
星が降る
森は夏の準備
人は
笑顔の咲かせかた

歌順23番

山碧木 星

小型アンテナのような
耳栓をつけ
シタムキに歩く
スマホゾンビさんにも
初夏の風が吹く

歌順24番

大橋克明

御敵        *御敵=おんてき
許すまじ
正油の樽に漬け
塩の砂漠に
葬ってやる

歌順25番

平澤 薫 

皐月に猛暑
北の大地が炎上
異常 気温
人類が成した
自然破壊

歌順26番

酒井映子

露をふくんだ
さやが光る
とびっきりの
枝豆を
抱えて帰る

歌順27番

神原美嘉(欠)

金はなくなり
体は疲れはて
地獄の重連休
主婦は重労働
もう勘弁してください!

歌順28番

扉 (欠)

陽の当たる緑
黒く深い緑
重なりながら
ずしんずしんと
夏が近づく

歌順29番

岡本まさ子

わたくしが
架けた橋だったが
はずしてしまおう
渡るのも 帰るのも
疲れてしまった

歌順30番

高原伸夫

「新しい時代」と
刷り込まれると
その気になっちゃう
ヒツジたち
よく飼い馴らされてるね

歌順31番

高原美智子

五月の
さわやかさ
明るさ
かぐわしさ
新茶の緑色に

題詠 「舞い、舞」

歌順1番

数かえる

涙を懐に隠し
照明を信じて      *照明=ピン
舞う役者は
非日常の
瞬きに咲く華

歌順2番

赤井 登


せせらぎ
風の舞い
初夏の
たたずまい

歌順3番

関口有美

太鼓の音は
いよよ高く
夜神楽 舞う
農夫の所作
妖しくなって行く

歌順4番

コバライチ*キコ

透き通る
皐月の空だ
元号をめくるごと
舞う
夏の燕        *燕=つばくろ

歌順5番

はるか

桶の音がやけに響く
仕舞い風呂
今日の想いと
身体の輪郭が ゆるゆら
ぬる湯に溶けていく

歌順6番

寒苦老

昭和
戦後に生をうけ
平成を生き抜き
令和に
仕舞う

歌順7番

吉野正則

嬉しい時の喜びは
こいつと俺と
半分こ
ぐい呑みの中に
舞う金箔

歌順8番

観月

音を追いかけ
鍵盤の上を舞う
君の指先が
好きで 嫌いで
やっぱり 好きで

歌順9番

柳瀬丈子

窯の中
変化自在に
神は舞い
その炎の記憶か     *炎=ひ *記憶=あと
曜変天目

歌順10番

範子

トランプさんへの
大盤振る舞い!
小盤振る舞いでいいから
日本中の被災地に
してあげて欲しいなあ

歌順11番

可不可

つむじ風に
舞い上がる枯葉
おっ 木の葉隠れ
と呟くボクは
昭和漫画世代さ

歌順12番

浜畑祐子

白い蛾の
乱舞する森は
夢 まぼろし
蛾の食い散らす森は
現のこと         *現=うつつ   

歌順13番

今井幸男

大悪魔色のベネチアンマスクを
付けて
演歌でも唸ってみますか
紳士淑女だらけの
華面舞踏会

歌順14番

山口敦子

家事育児
そして仕事に
てんてこ舞い
息子の寝息は
全てを溶かす

歌順15番

三根政信

風のように舞う
風とともに舞う
思いのままに
ただ、自由に
舞う

歌順16番

萩原多恵子

女形の舞
肩ごしの
流し目に
恋のかけひき
透かし見え

歌順17番

はなちゃん

青空に舞う洗濯物
大雨がスッカリ洗ってくれたから
とりあえず
心配事などは後ろに放り出して
ウキウキワクワクランランラン

歌順18番

青木栄子

あなたの声は
風の中
若葉を潜って        *潜=くぐ
わたしに届く
沙羅空木の花も舞う     *沙羅空木=サラウツギ

歌順19番

町田道子

真っ青な空から
舞い降りるように
黒アゲハ
今年も来たんだね
大好きな庭の バーベキューに

歌順20番 第3席

藍弥生

ほんとうはネ
舞台裏が
いっちばん
おもしろいんだ
人生だって

歌順21番

田中きみ

甥の結婚式
酔って 舞い上がり
舞い踊る
おばさん
私 でした

歌順22番

かおる

舞を
教えるために
竜宮の使いは来た
白い月夜
あなたに見せるための

歌順23番 第1席

山碧木 星

うっすらと
焦げた筍ご飯に
摘んだ山椒
ひと葉 添えて
春を 仕舞う

歌順24番

大橋克明

歌え
踊れ
舞い狂え
夏だ 海だ
太陽だ

歌順25番

平澤 薫

人生 迷わず
「清水の舞台から飛翔」
その勇気 決断こそ
夢の実現
勝利への一歩

歌順26番 第2席

酒井映子

店仕舞いします と
張り紙
小父さんの
仏頂面も
これっきりか

歌順27番

神原美嘉(欠)

命が生まれる5月
始まりの令和
空高く舞った帽子は
平成と終わった
いのち

歌順28番

扉(欠)

風船と
子ども等と
五月の風
伸びやかな
舞い

歌順29番

岡本まさ子

蝶が
舞うと
あの人を想いだす
ひとがたに
少し翳帯びて

歌順30番

高原伸夫

抱きつき外交の成果よ
どなたも羨む
蜜 月 なの
舞い上がっちゃうわ
何でもあげちゃうの

歌順31番

高原美智子

もみじ若葉の
風に吹かれて
気ままに舞うの
2枚の翼
ひらひらさせて