2019-01-22 第238回参加歌

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自由詠

歌順1番

コバライチ*キコ

同じ月を
君も見ている
こんな夜は
月の兎も
ぴょんぴょん跳ねてる

歌順2番

大橋克明

差しつ
差されつ
飲んでた二人
そこだけは飲めない
生き様のちがい

歌順3番

数かえる

責めたてる
私の一言、一言は
悪臭を放つ悋気    *悋気=りんき
二人の距離を
汚していく

歌順4番

吉野正則

背中丸めて襟かき合わせ
駅の近くの居酒屋へ
まず熱燗と鮒の甘露煮
あとから鯉こく
もらおうか

歌順5番 第1席

酒井映子

二、三片の雲
白く光らせて
大東京を見下す
厳冬の
満月

歌順6番

赤井 登

仏前に
花を活ける
創意工夫
努力はしても
才能なし

歌順7番 第3席

範子

湯に漬かりながら
身の上話を始めた
見知らぬおばさん二人
聞き耳を立てていた私
茹でダコになる

歌順8番

観月

壁からも
染み出す賑わいに
後押しされつつ
あなたの口元に
頬 寄り添わす

歌順9番

平澤 薫

冬の陽だまりに
身を寄せあい
熟睡のガマ親子
静かな吐息 
春待つ命

歌順10番

町田道子

奥底に熱量を
ためている人の
力っ て
計り知れない
見えないものに圧倒される

歌順11番

寒苦老

どこにでも
きっとある
し・あ・わ・せ
わたしだけ
見えない?

歌順12番

藍弥生

想いは
人を
強くしたり
弱くしたりで
忙しくなる

歌順13番

今井幸男

どんな夢を
思い描いているのだろう
童女のように
薄ら目を
開けた秘仏

歌順14番 第3席

山碧木 星

ムクムクの
山手線七人掛けは
焼きあがり前の食パン一斤
身動き取れずに
皆んなスマホ

歌順15番

はるか

初富士鮮明
屋根の漆喰
青天に白く
昨日と違う
始まりの朝

歌順16番 第2席

向こうを見よ

裸樹
鋭く
青空を指し

歌順17番 第3席

はなちゃん

うなされて目が覚める
S:知らないうちに
N:乗っとられて
S:死に至るウィルス
かもしれない

歌順18番

青木栄子

神保町の喫茶店
膝付き合わせ
話し込む
満月と
ウインナ珈琲の夜

歌順19番

鮫島

愛は   幻
私は   幻
神は   幻
この世は 幻
歌だけが 真実

歌順20番

田中きみ

逢いたい と
言ってくれる
人がいる
ここで行かなきゃ
男がすたる

歌順21番

かおる

迎え入れるなら

今だけなら
あなたのすべてを
肯定できる

歌順22番

水野ぷりん(欠)

ビルの隙間からの
スーパームーン
路地でささやく
嘘つきな恋に
目を光らせている

歌順23番

神原美嘉(欠)

過去 未來
どうでもいいよ
今貴方がわたしを
誰よりも慈しんでくれるなら
それでいい

歌順24番

渡邉加代子(欠)

いつもの朝日も
初日の出
特別眩しい なんて
おみくじ
大吉だったから

歌順25番

つねちゃん(欠)

おわかれが
近づいている
友の横顔
声にならない
ありがとうが涙になる

歌順26番

高原伸夫

無限の宇宙に
無数にあるから 星屑
でっかい☆が
地球人には
屑に見えるんだね

歌順27番

高原美智子

生と死が
隣り合わせ
なのに
病院という場で
働く人たちは 明るい

歌順28番

岡本まさ子

いらないものが
山ほどあって
雑そのものの中に
わたしが
いる

歌順29番

西部 稔

別れよう
冷たい声で言った
嫌っ!
熱い眼で言われた
やっぱり飼うよ、この猫

題詠 「冷」

歌順1番

コバライチ*キコ

シリウスの

青白く光る
夜空の冷気の
発するところ

歌順2番

大橋克明

翌朝の
残り物の
おでんみたいな
冷えた
二人の関係

歌順3番

数かえる

泣いて 喚いて      *喚=わめ
吐き捨てた
サヨナラには
月さえ冷たく
そっぽ向く

歌順4番

吉野正則

供養は故人の
冥福を祈ること
触れると冷たい墓石だけど
ここは心のよりどころ
遺体は無くても墓は墓

歌順5番 第3席

酒井映子

手の冷たい女がいい
などと言う
アイツは
女を
わかっていないのだ

歌順6番

赤井 登

冷たい男

冷たい女
響くのは
男…女

歌順7番

範子

雪の降る日
あったかい部屋で
冷奴に冷酒
これもまた
乙なもの

歌順8番 第2席

観月

逢いたい

止められないから・・・
心にそっと
保冷剤

歌順9番

平澤 薫

心貫く冷たい一言
五十年目で崩壊か
ボケた振りして
回避する知恵
寛容と忍耐の金婚式

歌順10番

町田道子

そんなに
焦ってはダメ
ゆっくり時間をかけて
冷ませば
壊れるものなんてないのだから

歌順11番

寒苦老

冷たいは
温かいの
反意語
でも妻はずっと
冷たいよ

歌順12番 第1席

藍弥生

冷静な人が
揺らぐ一瞬
人間味に
ほっとして
好きになる

歌順13番

今井幸男

夜明け前の風呂場は
まるで露天風呂
正月の
凛とした冷気を
ゆるり味わう

歌順14番

山碧木 星

寒いときこそ
冷やでいこう
生で 原酒で 冬だけの
あらばしりで
グビッ

歌順15番

はるか

心をすり抜けた
冷たい風が
あなたを 少し
遠くにした
オリオン光る道で

歌順16番

気がつくと
窓越しの
冷たさ
部屋中に
居て

歌順17番

はなちゃん

冷や飯にみそ汁ぶっかけて
かっこんだあの頃
タロー、
ドッグフードより
美味しかったよね

歌順18番

青木栄子

土手に咲く
ネコヤナギのビロード
あなたのやわ肌想い
冷たい指でそっと撫でる
爪の先から春になる

歌順19番

鮫島

いよいよ
発情期を迎えた
小象は
マンゴーを
冷やして 食べた

歌順20番

田中きみ

冷えた心抱えて     *抱=かか
寄ってきた人を
抱きしめて      *抱=だ
二人とも
冷えきった

歌順21番

かおる

心の中に
冷蔵庫
入れるものは
腐らせたくないのか
温かくしたくないのか

歌順22番

水野ぷりん(欠)

冷たがる
女の手を
覆ってやる
男の愛が
単純で良い

歌順23番

神原美嘉(欠)

煮えたぐる感情を
冷やして隠し
三日月の瞳で
ごまかしている
怪我をしたくない弱虫人間

歌順24番

渡邉加代子(欠)

休日の始まりは
散歩つきの日帰り温泉
冬早朝の露天風呂は
身引き締まる
外気の冷たさ

歌順25番

つねちゃん(欠)

白梅の
小さな つぼみ
冷たい雨に
あらがうように
ふくらんでいる

歌順26番

高原伸夫

弱者に冷たく
懸案は先送りする
アベ政治
国民の未来を
喰い荒してきた

歌順27番

高原美智子

冷たそうな
土の中
ぐっすり眠る
熊のように
布団に包まる

歌順28番

岡本まさ子

こころが
ないと
ほんとうに
つめたい
ことば

歌順29番

西部 稔

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