2021-06-22 第267回参加歌

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自由詠

歌順1番 第4席

酒井映子

若い緑が
朝日を弾く         *弾=はじく
昨日のことはどうでもいい
今日を
生きるのだ

歌順2番 第3席

岡本まさ子

あなたは
静かに消えた
空いっぱいの
音のない
花火のように

歌順3番

田中きみ

再びの
旅へと出るは
高嶺の花か
美酒の里へと
飲み鉄旅

歌順4番 第5席

大貫隆志

誰とも話さなかった
一日
新書一冊分の
声なき
独白とともに

歌順5番

柳瀬丈子

〝再び〟は
もう ないのだ
肩寄せ合って眺めた
あのサントリーニの
落日の荘厳

歌順6番

高原伸夫

高校の友達で
おっかなびっくり
初のZoom会合
30人の顔ぶれは
みんな歳取ってた

歌順7番

関口有美

口にしたくない物でも
飢えれば
食べる
本能は
柔軟なのだ

歌順8番

はるか

電線は五線譜
鳥たちは音符
梅雨の晴れ間を
白のスニーカーで
ぐんぐん 歩く

歌順9番

小杉淑子

外に出たら土砂降り
うちに入ると晴れ間
本日
空とは
相性最悪

歌順10番

赤井 登

畳にごろりと
大の字に
寝ると
気分は宇宙を
彷徨う

歌順11番

青木栄子

風には色がある
海色
空色
黄金色
あなた色の風もある

歌順12番

高原美智子

植えてから15年
咲かなかった山法師
コロナになって
突然 咲いた
白い帽子いっぱい被って

歌順13番 第2席

今井幸男

お肌の皺たちと
世間話でもしているかのように
かけ湯が
背中を ゆるゆる
下りていく

歌順14番

萩原多恵子

パソコンの上を
昼寝を誘う
風が吹く
在宅ワークの
ワンシーン

歌順15番

コバライチ*キコ

潮の香を連れて
茅の輪くぐれば
あの日の
わたしが
手を振っている

歌順16番

降って止み
一歩ずつ来る
夏の気配を
確かめるごと
降って止み

歌順17番

大橋克明


デパートの惣菜売場
閉店間際の喧噪      *喧噪=けんそう
「えーい持ってけ泥棒」
半値八掛二割引き
それを目当ての客の列

歌順18番

範子

青空から滝のように
雲が落ちている
いよいよこれに乗って
神々が
来てくれたか

歌順19番

吉野正則

僕の髪〜が〜
なんて歌っていたのに
今じゃ
地肌が
透けて見える

歌順20番

町田道子

皺 ないね―
シミ ないね―
若いね― 50代だ―
うれしい! 先生の言葉
海馬 のことなんですけど ね

歌順21番

鮫島

眠れることは
奇跡なのだ
生きていること

同じくらい

歌順22番

寒苦老

ひとの
みにくさ
おろかさ
コロナが
あばく

歌順23番

かおる

鈍色の空
泳ぐには
深すぎて
自分のことも
見つけられない

歌順24番 第3席

ま のすけ

植物も
空に憧れ
空を飛びたいのかと思う
花のカタチを見て
ときどきそう思う

歌順25番

藍弥生

そういえば
まぶしかった
時間も
あったよね
忘れてたけど

歌順26番

山碧木 星

人間を
取り戻そう
マスクを外せば
命の緑
洪水のごとし

歌順27番

いわきやすお

ひっくり返した
卓袱台をそのままに
貫太郎おやじが旅立った
「ジュリー」「ヤングマン」の
家族がいる夜空の星へ

歌順28番 第1席

観月

ほんとうの
美しさは
土の中
くねり絡まる
根の強かさ

歌順29番

大島健志

アロハシャツ
日本語ラップ
とうもろこし
夏よ
かかってきなさい

歌順30番 第4席

渡邉加代子

激しい雨
鳴り続く雷
傘の上に
雷神のせて
歩いているよう

歌順31番

数かえる

哀しみを
集めたような
群青色を羽織り
したたかな雨に
打たれる夏燕

題詠 「再び、再」

歌順1番

酒井映子

別れは
短く一言
今生の
思いを込めて
「再度 来てね」       *再度=また

歌順2番

岡本まさ子

再び巡っても
季は             *季=とき
スパイラル
あの過去を
見下ろす わたし

歌順3番

田中きみ

再会は夢の中
紅白柄のワンピース着て
輝く笑顔で
とてもかわいかった
 つねちゃん

歌順4番

大貫隆志

うつむいていた人が
再び顔をあげ前を向く
その瞬間に立ち会う
責任と
自負と

歌順5番

柳瀬丈子

待ち望んでいたのは
「再会」でした!
これじゃ
「再延長」と同じね
あヽ 会える日は いつ?

歌順6番

高原伸夫

五輪やったら
感染リバウンド
確実だって さ
なのに突き進む
ぼったくり政府

歌順7番

関口有美


大切に思うものを
愛おしみたい
再び この大切さは
無いものとして

歌順8番

はるか

嵐はまた絶望を連れて来るし
どこまでも続く日照りの道に
きっとまた立ち尽くす
それでも再び歩き始めた君に
心からエールを送ろう

歌順9番

小杉淑子

横切ったら
すかさず
再開するゴミあさり
アーアーアーと
馬鹿にした鳴き声で

歌順10番 第5席

赤井 登

何故
話せないかは
話せない
再度せがまれても
話せない

歌順11番

青木栄子

再び巡りあう
総てが重なること
それこそが奇跡
無限の宇宙では
全てが新しい

歌順12番

高原美智子

再・再・再
緊急事態宣言
繰り返すたび
疲弊する人々
税金は暮らしに使え~

歌順13番 第4席

今井幸男

再三再四 釣り人に
釣られていたら
それが生き甲斐になって
しまうかもね
あの 釣り堀の鯉も

歌順14番

萩原多恵子

再会の返事
あんなことも
こんなことも
想い
馳せる

歌順15番 第1席

コバライチ*キコ

思い切り
泣くたびに
再生する
赤ん坊と私
同じ生物

歌順16番

桜樹の
木陰
更に大きく
夏へ
向う

歌順17番

大橋克明

事業失敗で再起不能と
思われていた彼奴
三年ぶりに再会
おどろいた事に
以前にも増して堂々の
起居動作 成長した男の笑顔

歌順18番

範子

体調最低で
再会できなくて
残念です
涙犬のイラスト付きの
あなたからの最後のライン

歌順19番

吉野正則

人生の再出発
そんなものは
ありゃしない
リバースしないで
前に進も

歌順20番

町田道子

再び
会うことが叶ったとしても
あの
初々しい風の下には
もどれないのだ ね

歌順21番

鮫島

あの夢を
もう一度
見たくて
再び
眠りに入る

歌順22番

寒苦老

ふたたび
逢えない
君ゆえに
言えない
さよなら

歌順23番 第3席

かおる

再起動する
気力
好奇心は
スイッチ
動き出す

歌順24番

ま のすけ

これまで幾度も
「再度はないよ」と
思いながら
また許している
情と、そして過去の惜しさに

歌順25番

藍弥生

コロナ時代を
乗り越える
必殺ワザ
再認識と
再発見

歌順26番

山碧木 星

務めあげれば40年
あちら 叩かれようとも
再稼動
こちら 休む暇なく
再雇用

歌順27番

いわきやすお

ビルマ米に恩恵を受けた    *米=まい
ウ・タント事務総長の母国
竪琴が奏でた「埴生の宿」
弾圧で民衆が泣いている
ミャンマーに再びの平安を

歌順28番

観月

おやすみって
いま切ったのに
もう
再ダイヤル
しちゃってる

歌順29番 第3席

大島健志

最悪だった
去年の
再放送みたい
今年の
ここまで

歌順30番 第2席

渡邉加代子

何人に またね
と言っただろう
何度 会いたいね
と書いただろう
再会期限は迫っているかも

歌順31番 第3席

数かえる

透明な純情を
踏みつけた
入道雲よ
麦は強くなる
再びの 夏