2019-12-17 第249回参加歌

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自由詠

歌順1番

関口有美

チェロを弾く男の
体の動き
妄想が
音色を
艶めかせる

歌順2番

吉野正則

日々過ぎるのが
早すぎる
まるで
あおり運転
されているよう

歌順3番

酒井映子

私の街 渋谷が
日々
生まれ変わる
私も負けずに
新しくなろう

歌順4番

観月

命短し 恋せよ乙女
「運命の人」が
たった一人
とは
限らないんだからね

歌順5番

鮫島

脳内を
くまなく
探索した結果
下品な
サルでした

歌順6番

大貫隆志

子の
柔らかなところに
まだ
触れてはならない
蝋細工なのだから

歌順7番

はるか

初冬の風が鮮明にする
窓外の山々と
父母の想い出
さよなら
明日 住み慣れた家を出る

歌順8番

可不可

家中が
うま煮の匂い
黒豆炊けた?
いい時代だったね
天国のお母さん

歌順9番

田中きみ

黒雲うず巻く空
吹雪降りしきる空
星またたき
月輝く空
鳥海山荘露天風呂

歌順10番 第3席

支えではない
老いと病いを
助けるのは
寄り添いと笑い
と知った一年

歌順11番

つねちゃん

今夜のグチは
シャワーで
サッパリと
流せる量
ビールがまっている

歌順12番

青木栄子

冬の青空
ワカケホンセイインコの群れ
天翔けてゆく
全身に漲る
晴れへの礼賛

歌順13番

萩原多恵子

右に金属
左にビーズ
耳飾りの          *耳飾り=イヤリング
リ・ユース
自由な風景を見ています

歌順14番 第1席

渡邉加代子

長椅子の席で隣のために
五ミリ移動する
意味あるような
ないような
ほんの気持ちです

歌順15番

藍弥生

不器用な人は
伸びる
工夫したり
努力したりを
人一倍するから

歌順16番

町田道子

視線を感じながら
意識し
紡ぐ言葉
恥じらいは
心を育んでゆく

歌順17番

寒苦老

ゴメンね〜
ことばの
軽さに
きもち重く
しずむ

歌順18番

はなちゃん

若いつもりが
「長生きしてね」のひとことで
玉手箱が開いた
一気にシワシワの
白髪の婆さんになったよう

歌順19番 第2席

山碧木 星

美味しいものは
ガードが固い
牡蠣 蟹 雲丹 銀杏 栗 胡桃
そして
あなたも

歌順20番

かおる

落花生を割る
乾いた音
湿った心なんか
おかまいなし
新しい空気生まれる

歌順21番

今井幸男

窓辺の四角い
平皿に
身を横たえて
射し込む
冬陽と戯れる

歌順22番

柳瀬丈子

手びねりの
茶碗のぬくもり
掌に享けて
ゆっくりとまわす
緑の香気

歌順23番

赤井 登

夜明け前
微動だにせぬ
黒の雲
鴉二羽
黒まぎれに横切る

歌順24番

数かえる

熟し過ぎた柿の
皮を裂き
果肉を啜れば         *啜=すす
甘い 甘い
女の肉の味がする

歌順25番

大橋克明(欠)

大金はたいて
東大出したのに
カウチポテトじゃ
元が取れねえーよなぁ
親が泣いとるぜ

歌順26番

高原伸夫

桜は春のもの
浮かれすぎて
国民をバカにした
安倍政権は
この冬 支持率を散らす

歌順27番

岡本まさ子

糠に釘
柳に風
美しき にっぽんの
首相を
言い得て妙

歌順28番

高原美智子

たかが花見じゃないか・・
そういう事ではない
倫理観の失われた
国は
根から腐ってゆくのだ

題詠 「器」

歌順1番 第3席

関口有美

肉体よ
亡ぶな
今少し
魂の器で
あって欲しい

歌順2番

吉野正則

人の器もまちまちね

湯飲み
どんぶり
私の器はどれかしら

歌順3番

酒井映子

女の武器は
芯の強さ
すがって泣く
なんて
トンデモナイ

歌順4番 第2席

観月

沈黙に
潰されそうで
加湿器を
気にするふりして
席を立つ

歌順5番

鮫島

さあ今夜は
ありったけの
悲しみを
盛ろうか
五行歌という器に

歌順6番

大貫隆志

苦の器
悲の器
負の器
どの器にも
収まらぬ私

歌順7番

はるか

不器用ですからと
健さんみたいで
カッコいいよ
生きることが
下手な君

歌順8番

可不可

あなたって
器から零れた
お酒みたいな人ね
下のお皿がなきゃ
もたないんだから

歌順9番

田中きみ

親子丼
他人丼
中味は
気にしない
大きな器

歌順10番

はらはらの器に
はみ出す願望を
エイヤーと入れ
来る年を
迎える

歌順11番

つねちゃん

ひび割れの器
匠の技で
命つながれ
よみがえる
美意識

歌順12番

青木栄子

洗面器に日本手拭い
熱を冷ました
昭和の六畳間
夜通し看てくれた
割烹着姿の君恋し

歌順13番

萩原多恵子

ひらいた手の器
石ころのあめ
葉っぱのクッキー
零れ落ちている
想像力

歌順14番

渡邉加代子

尖った口先から
細く流れる酒を
小さな器に受けて
すこし口に含む
酒を 味わう

歌順15番

藍弥生

器用貧乏が
プチ自慢の夫
だから金持ちには
一生なれない事に
まだ気付いていない

歌順16番

町田道子

想いを湛えている器
ふー
っと
息吹きかけると
零れ落ちそうになる

歌順17番

寒苦老

だれにでも
自分の器がある
大きくても
小さくても
それで良い

歌順18番

はなちゃん

今日も一日終わっちゃった
くよくよしちゃう私って
器が小っちゃいのかな
明日はもうちょっと
おっきい器にしちゃうぞ

歌順19番 第1席

山碧木 星

おっととと
器 ギリギリまで
嬉しいねえ
よっ
ミス表面張力!

歌順20番 第2席

かおる

捌いた
男を
器に並べて
骨抜加減をみる
小骨さえも許さない女

歌順21番

今井幸男

ストラディバリウス
のような音色は出せませんのよ
残念ながら
名器と褒めていただけるのは
嬉しいのですが

歌順22番

柳瀬丈子

出土した須恵器の皿
何を盛るか
どう盛るか
試されている
私という器

歌順23番

赤井 登

大きな器
小さな器
そんな
あほな器
これ 人のお話

歌順24番

数かえる

漆黒の塗の器の
みそ汁を冷ます
ふぅ〜 ふぅ〜ぅ
君の唇は
一片の花びら

歌順25番

大橋克明(欠)

人の事 見た目だけで
判断するのも
なんだけど
どう見ても
社長の器ではないよね

歌順26番

高原伸夫

人間にも
器というものがある
中村哲さんのような
高潔な人物と
自己中・卑小の総理と

歌順27番

岡本まさ子

大は
犬だったそう
神への清めの犠牲の意
だから
「器」にあらず、と言う

歌順28番

高原美智子

一つ一つの器に
いろいろな土地での
思い出あり
まだ手放せないけど
ま、いいか