2022-04-26 第277回参加歌

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自由詠

歌順1番

観月

カーネーションを
買わなくなって
もう何年?
今年はお仏壇に
供えよう

歌順2番

田中きみ

別れが淋しい は
幸せなこと
別れたくない人達が
いてくれる
ありがたさ

歌順3番 第5席

歓びに沸く者に
晴れやかに
哀しみにひたる者には
ただ白く
桜花のやさしさ

歌順4番

酒井映子

一人を殺せば
殺人罪
万人を殺せば
胸に輝く
勲章

歌順5番

青木栄子

木かげの風吹くベンチに座ろ
空を仰いでありがと言おう
みんな愛で繋がろう
生きとし生けるもの
地球はひとつ

歌順6番 第5席

はるか

黒々と逞しい体に
こぼれんばかりの
薄桃色の優しさ抱えて

こんな男に惚れる

歌順7番

山碧木 星

その人を
想うと
不意に くしゃみが出る
なにか
恥ずかしくなる

歌順8番

寒苦老

キラキラ光る
山間の河原        *山間=やまあい
疲れた足元
ドレミファ橋
軽〜るく演奏

歌順9番

範子

我が家には
天才 怪物は
生まれなかったけど
そこそこの子らと
そこそこの幸せはある

歌順10番 第1席

いわきやすお

距離があるのは
分っているけど
一途な気持ちに
定規をあてて
点を線でむすぶ

歌順11番 第2席

渡邉加代子

気まぐれな
桜の花びら
追えばかわし
待てばふわりと
てのひらにとまる

歌順12番

旅卯

しょうもない知識さ
なんて言って
楽しそうに
教える
生き物

歌順13番 第4席

藍弥生

うそ
ついている
背中
じっと
みている

歌順14番

萩原多恵子

そうだちしては
将棋倒し
かしましき
モダンアートは
砂鉄の踊り

歌順15番

吉野正則

季節の移ろいを
感じて一人
花見の散歩
途中の茶屋で
桜餅

歌順16番

かおる

高枝鋏も届かない
枝にいるのは
プライド
切りたいのに
どんどん伸びる

歌順17番

コバライチ*キコ

鬱金香
ゆら と傾げば
親指姫が
ほら
くすくす笑う 春だ

歌順18番

ま のすけ

日々失われる非戦闘員の命を
ドミノのように使い
拡大・長期化を策謀する邪鬼ども
ウクライナに、米独英露以に      *以=イスラエル
…そしてこの日本にも

歌順19番 第4席

岡本まさ子

一人の人間の中に
くたびれた奴やら
まだ元気なのがいて
時々声かけあって
生きている

歌順20番

大橋克明

プロレスラー「オルテガ」の
取って置きの珍芸
暗闇の舞台上で打っ放す   *打=ぶ
一発芸「屁大砲」      *屁大砲=おならたいほう
相方のミスター珍がライターボヮー    *珍=ちん

歌順21番

柳瀬丈子

小母ちゃんのなつかしい
俵形のおむすび
紫蘇巻き
海苔巻き
野沢菜巻きー生唾ゴクリ…

歌順22番

今井幸男

艶やかな真紅の肌に包まれた
白肉の歯ごたえに
魅せられてしまった
トチアイカという苺は
あの人の化身かも知れない

歌順23番 第5席

大貫隆志

眠りから覚めた
タブレットには
あの日あの時
あの人あの街
色褪せぬまま

歌順24番 第3席

数かえる

君の口撃が       *口撃=こうげき
止まらない
身体のどこかで
心の 器の
ひび割れる音がした

歌順25番

平井敬人

あなたに優しくしてほしくって
優しさって言葉を持ち出す私
なんにも言わずに
私が
優しくできたらいいのにね

歌順26番

赤井 登

桜もツツジも
散っても
散っても、、、
人は散っては
戻らない 

歌順27番

関口有美

一睡は 今日を
おぼろげにして
ただ
色とりどりの
緑の鮮やかさよ

歌順28番

町田道子

君を待っていたんだ
小さな 実
ひとつ
限られた鉢の中でも
大丈夫です!と いちじく

題詠

歌順1番

観月

「みだれ髪」から
俵万智の
「サラダ記念日」
短歌が身近になった
二十歳の初夏

歌順2番

田中きみ

実家にいらっしゃる
大黒様
俵に乗って
笑っている
祖母の顔して

歌順3番 第4席

ぎっしりの
俵のよう

頑なに
開け口見つからず

歌順4番

酒井映子

あの時
生きる に
引き戻してくれた
あなたの一言
人生の徳俵だ

歌順5番

青木栄子

春の遠足運動会
艶びかりした俵が並ぶ
母の自慢のお稲荷さん
二つ三つ頬張れば
笑顔溢れて力湧く

歌順6番

はるか

今日は私も
俵万智
「ごめん」と
君が謝ったから
4月9日は終戦記念日

歌順7番

山碧木 星

初めて
お会いしたときから…
あの人の
躙り寄りに 必死に堪える       *躙=にじ
モーソーの徳俵

歌順8番

寒苦老

三角おむすび
好きだけど
また食べたいな
母の温もり
俵形

歌順9番

範子

こんなの私だって
すぐ詠めると
俵万智の短歌を読む
ところがどっこい
なんでやねん!

歌順10番

いわきやすお

徳俵に
足がかかり
人生の
白星を
ひろう

歌順11番

渡邉加代子

どんぐり記念日
ツバメ記念日
一日ひとつは
良いことあるね
俵万智さま

歌順12番

旅卯

俵から
漏れ出す
米粒は
すくわれたのか
ひろわれたのか   

歌順13番 第2席

藍弥生

同じ土俵で
勝負なんてしない
だってもう
別の道
歩いているから

歌順14番

萩原多恵子

介護者への
俵結び
厚焼き玉子
幼心に
たどり着く

歌順15番

吉野正則

満開の桜
木の下で開く
花見弁当は
綺麗に並んだ
俵おにぎり

歌順16番

かおる

母のおにぎりは
俵形
お弁当箱には
海苔を巻かれた
やさしい曲線が並ぶ

歌順17番

コバライチ*キコ

俵屋宗達描く
緑青の風神よ
胡粉の雷神よ
今こそ世界に
平和の嵐 を

歌順18番

ま のすけ

路傍に俵と積まれた
黒い袋の中身が
汚染された土壌だったり
人や獣の屍だったりする世界は
一ミリ 一ナノ 一ピコたり望まない

歌順19番

岡本まさ子

一俵60キロの
米俵を
かついで運ぶ
女丈夫
稼ぎも男まさり

歌順20番

大橋克明

人生の
徳俵に
救われて
改めて踏み出す
渾身の第一歩

歌順21番 第5席

柳瀬丈子

子供のくせに
俵子の酢のものが好きとは *俵子=たわらご(ナマコ)
口が奢ってるね
小父さんの側へおいで
一杯やるかい?

歌順22番

今井幸男

昔の女ですから
米俵の一つや二つ ちょいと
肩に担げますわよ と
イケメンを舌先で担いで
みたい初夏の宵

歌順23番

大貫隆志

撓わに       *撓わ=たわわ
撓む        *撓む=たわむ

桟俵法師      *桟俵法師=さんだらぼっち
撓撓に       *撓撓に=たわたわに

歌順24番

数かえる

「米俵は黄金の山」
江戸の札差の         *札差=ふださし
高笑いも聞こえた
騒がし過ぎる
カフェは蔵前

歌順25番 第3席

平井敬人

顔も名前も出さない人が
出してる人を口撃する
土俵に上がっていないのに
上がってるように攻撃する
正義のツイートだそうです

歌順26番

赤井 登

拝啓
俵万智さま
麹町記念日に
お寄りください
敬具

歌順27番

関口有美




私のおにぎり
俵型

歌順28番 第1席

町田道子

いつも
ぎりぎり
土俵際で粘って
かろうじての 逆転
私という道を歩んでいる