2026-08-25 第329回参加歌
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自由詠
歌順1番 第5席
思い描いた道では
なかったけれど
振り返れば
愛おしい
私らしい道だった
歌順2番
朝な
夕な
自然は呟く
強がっている
夏のかげりを
歌順3番
自転車も バイクも 車も
初乗りの時には
隣にあったね
父サンの大喜び
今日も空は高いよぉ
歌順4番
夜の高速は
異次元の世界
東京の
まがまがしさを
全て消し
歌順5番
悲しみからカナをとる
苦しみからクルをとる
のこったのは
二つの
シミ
歌順6番
地団駄踏んで
泣きわめく
だいだらぼっちの
怒り すさまじ
豪雨となって
歌順7番 第5席
巧くいかなかったな
これは神の試練
ということにする
いいことは ぜ〜んぶ
私の努力
歌順8番
サグラダファミリア
人々の夢と祈りを注がれ
ガウディの脳内設計図は
なおも増殖して
息まない *息=や
歌順9番
この夏も
太古の世から
繰り返す
一瞬の
ことだから
歌順10番
あなたの表情を見て
何か予感がしたけど
気が付かれないように
視線を逸らして
大きな呼吸をした
歌順11番
ビール 枝豆 焼鳥
三役揃い踏み
馴染みの笑顔と乾杯
赤川花火大会 *赤川=あかがわ
始まり 始まり
歌順12番
積乱雲は
空のフュージョン
稲光の合図で
線状降水帯に
変貌する
歌順13番 第2席
自由という
真っ白な時間に
色を付けることに
疲れたようだ
白いままも良いみたい
歌順14番
畳を干して大掃除
縁側でスイカを頬張り
花火を楽しんだ
古い絵日記は
心の記憶の宝物
歌順15番
断捨離できない
古い文庫本
忘れないよ
一緒の時間
文字が掠れても
歌順16番
くうねるあそぶ
それだけでいい
と思ってたけど
阿るってことも *阿=おもね
まかり通るよ近頃は
歌順17番
地図の
読めない
女の方が
幸せに
なれる
歌順18番
杖をついた人も
腰の曲がった人も
水の中では
歩くが自由
宇宙はもっと自由かも
歌順19番 第3席
八月の追憶
八月の後悔
八月の黙祷
浴衣の袖に
鎮めてふる夏時雨
歌順20番 第1席
いいよ
からはじまる
言葉はやさしい
壊れそうな心も
受け止めてくれる
歌順21番
熊が怖いと言うけれど
戦争を起こし
沢山の犠牲者を出した
人間の怖さを思う
夏
歌順22番
一羽 はぐれた
渡り鳥
その孤独
どう
乗り越えているのだろう
歌順23番
空を見上げ
成仏していた蝉
柔らかな土に寝かせる
サヨナラ
君の夏
歌順24番
もしも
は
いつも
の
となり
歌順25番 第5席
愚痴は油
少しなら
味わいを増す
でも度が過ぎれば
胸焼けがする
題詠
歌順1番
今、どこにいるんだろ
携帯の向きをクルクル
なかなか目的地に
たどり着けない私は
地図が読めない女
歌順2番
図星を
躱し 躱=かわ
上塗り重ねる
嘘は
八百
歌順3番
絶望に苦しむ
あの男に高笑い
図り事は
企んでいる時が *企=たくら
一番楽しい
歌順4番
縫い目の荒い
雑巾に
孫の気持ちの
吉凶を
あれこれ図る
歌順5番 第4席
図らずも
この
ていたらく
図に乗って
しまっていた
歌順6番
図に乗って良い
老いた歩幅は
大きな歩幅が良い
己の器を盛ってみれば
朗らか やれ朗らか
歌順7番 第3席
大したこともせず
ちゃっかり
真ん中に坐って
図々しい奴だ けど
憎めない
歌順8番
お目当ては
ここの大将が打った蕎麦と
芝えびのかき揚だな
ー図星!
空きっ腹で 並んでます
歌順9番 第1席
白地図に
ピンを刺す
これから行く処
来た処
歩けるうちに
歌順10番
人生の地図を
もっと上手に描けていたら
と思いながら
街ゆく人々を
眺めている
歌順11番 第5席
こわれそうな
心の避難場所は
図書室
本の世界へと
逃げ込んだ
歌順12番
橋あり
船着場あり
謎解きは
歴史地図にあり
迷うのも楽しい
歌順13番
老後の心配をするけれど
そもそも十年後 二十年後
日本地図は 世界地図は
人間は 地球は
どうなっているだろう
歌順14番
良くできたと
得意になっていれば
図に乗ってはダメ!
という亡母の声が *亡母=はは
今も心に響く
歌順15番 第5席
消えた宝石
屋敷の図面
秘密の抜け道
わくわくしたね
少年探偵団
歌順16番
航海図に
載っているだろうか
それとも地球儀か
どこからが
海のはじまり?
歌順17番
図書館が
近くに
あること
結婚の
第一条件
歌順18番
図にそって
歩いてきた
と 思ったが
図に乗って
歩いただけかも
歌順19番
寡夫になって
三十余年がたった
不慣れな家事、子育ても
与えられた試練と
縮図にして胸にしまう
歌順20番 第2席
人生の設計図って
時として
まあるくなったり
歪になったり
それでよい
歌順21番
地図が読めない
道が覚えられない
位置がわからない
方向音痴という沼から
出られない
歌順22番
若者でもないのに
「図」の
旧字体を
思い出せない
年頃
歌順23番
指は
止まったり
眺めたりしながら
山地図を
辿ってゆく
歌順24番
初めて
一人暮らしをした
街を歩く
頼りは
記憶の地図だ
歌順25番
肥後に再来
地中のナマズ
襲われた地上は
さながら
地獄絵図

