2020-08-25 第257回参加歌

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自由詠

歌順1番

渡邉加代子

続く猛暑日
発表の気温と
体感温度との違い
私は百葉箱の外で
生きているの

歌順2番

岡本まさ子

空を
バックに
ひまわりは
かわいそうだが
コロナの形

歌順3番

赤井 登

久々の雨
雷に
玉や!と
声かけ
ベランダで一杯

歌順4番 第4席

柳瀬丈子

法師蝉
口籠りながら
鳴き始め
雲の切れ間の
夕焼空へ

歌順5番 第2席

はるか

夕陽が 雲の輪郭を
導火線のようになぞってる
ざわつく心を
置き去りにして
夏が行く

歌順6番 第1席

つねちゃん

ふる里の朝ごはん
日焼けした母の
手で
盛りつけられる
真白なイカソーメン

歌順7番

田中きみ

3年もつかなぁ と
思いつつした結婚
なんと43年
二人の
がまんです

歌順8番 第3席

ま のすけ

空は
空の淵に
夕陽で雲を溶かし
ゆっくりと
秋を生み出してゆく

歌順9番

今井幸男

藪のなかに秘そんでる
みどり色の丸い烏瓜 見いつけた
やがて 色づき
尻尾が生えて
大空を泳ぐのです

歌順10番

鮫島

天皇崇拝は
いい
けれど
なぜ それを 人に
押しつける

歌順11番 第4席

大島健志

叫びを 祈りに
すり替えて
耳触りの良い
美談ばかり
探している

歌順12番

青木栄子

夏の日の恋
灯ともしごろなら
つぶやけるかな
好きだよ好きです
あなたのことが

歌順13番 第2席

史緒

コロナとか
介護とか
なんだか
くたびれちゃって
うんと自分を甘やかしたい

歌順14番 第4席

酒井映子

ウイルスを怖れて
人影少ない街
のびのびと
勢いよいのは
雑草ばかり

歌順15番

関口有美

戦後75年の
見えない敵
対策で
籠る我が家は
防空壕的

歌順16番

範子

暴飲暴食
七転八倒
三日絶食
コロナ肥り解消か と
鏡見れば…ガックリ

歌順17番

安らぎも哀しみも
ないまぜに
夕焼けが
今日の地球を
あぶりだし

歌順18番

大貫隆志

近くても
遠くても
電話 メール zoom
みんなが
遠距離恋愛

歌順19番

萩原多恵子

頼っている
安堵感も
いつの間に
依存と
わがままに 変心 

歌順20番 第3席

観月

熱中症の心配を
説かれなくとも
こちとら 都民
どこに行っても
ご迷惑なのです

歌順21番

平澤 薫

ツルッと化粧した肌
燃える太陽 熱風に耐え
可憐なピンク花珠 こぼす
百日紅         *百日紅=さるすべり
笑顔の少女に髪飾り

歌順22番

コバライチ*キコ

単線に揺られ
補講の子らの

あんなことあったね
と 話せる日 来よ

歌順23番

浅沼 融

サルスベリの
燃える
紅が
ささやく
危険思想

歌順24番

数かえる

あんたの掲げた 釣忍
育たんかったねぇ
雑巾掛する縁側で
愛の始末に
ヒグラシの泣く

歌順25番

山碧木 星

こんなこと
してられない と
立ち上がってしまう私は
もう
好山病

歌順26番

藍弥生

予期せぬ
運命の日々
転調
しながら
新しいリズムを

歌順27番 第4席

かおる

千の
硝子風鈴が
いっせいに
ざわめき鳴り立つ
君の風

歌順28番

浜畑裕子

清流の
岩陰に
沈めている
トマトが
籠ごと

歌順29番

はなちゃん

あいつら内輪もめしてる
ウィルス仕掛けたら
簡単にのりやがった
シメシメ、地球を乗っ取るぞ
オイラは、コロナ星人dazo

歌順30番

高原伸夫

ペラペラ
原稿読んでは
真摯に
責任を痛感してみせる
不感症総理

歌順31番 第5席

吉野正則

目を開けたら
見るから視るへ
色々観たら
やがて診るから看るへ
で最後は目を閉じる

歌順32番

高原美智子

オレンジと黒の文様
羽ばたたせ何十という
ツマグロヒョウモン飛び立った
コロナの初夏
庭は命に満ちていた

歌順33番

清也

委託先
ゴタゴタ手間取り
このままじゃ
遅れ遅れて
地獄化給付金

歌順34番

町田道子

思い出したい
思い出したくない
心は
行ったり 来たり
9月待つ 朝

題詠 「8月、葉月」

歌順1番

田中きみ

私達の結婚
8月13日が好日と
気学で言われた
お盆なので22日となる
だから びみょう?

歌順2番

ま のすけ

八月の終りに
見えぬ振りをして
蝉が鳴く
暮れが近づき
カナカナが時を呼び覚ます

歌順3番

今井幸男

桃の葉の行水をして
パタパタと
首筋から肩口 背中 脇の下
そして アソコへ 汗知らずを
塗ってもらう 葉月

歌順4番

鮫島

ハズキの
ほほえみは
わたしの
ささやかな
成功の証

歌順5番

大島健志

くら
くら
眩暈
つかまるところがない
八月の日本

歌順6番

渡邉加代子

久しぶりに聞く軍歌は
歌える歌ばかり
戦後は遠のいた
せめて八月だけでも
あの戦争を考えたい

歌順7番 第1席

岡本まさ子

背おいきれない
八月
もの言わぬ
そこここの
たましいに

歌順8番

赤井 登

葉月
空は真っ青
サルスベリ
一人
頑張る

歌順9番

柳瀬丈子

「葉月」とは
葉の繁る季 ?      *季=とき
葉の散る季 ?      *季=とき
道に捨てられて
マスク、落葉のよう

歌順10番 第3席

はるか

海も見なかった
花火も見なかった
大好きだった人が
逝ってしまった
そんな8月だった

歌順11番

つねちゃん

永遠の願いを
こめて鳴る
鐘の音
八月は祈りと誓いが
続く毎日

歌順12番

青木栄子

8月の空?に
鉄兜の幻をみた
生きたかった命
帰りたかった命
戦争は恐ろしい

歌順13番

史緒

ジリジリと照りつける
陽射しの他は
夏らしい
こともなく
八月尽

歌順14番

酒井映子

わた菓子 ヨーヨー
金魚すくい
遊び惚けた
あの頃の
八月

歌順15番 第2席

関口有美

葉月、八月
花火には
はいて行きたい下駄がある
鼻緒ゆるめておいたのに
花の咲かない夜ばかり

歌順16番

大貫隆志

八月の旅団の
残したもの
雷鳴
豪雨と
二重の虹と

歌順17番

範子

色鮮やかさを
競っていた
アジサイも
八月になれば
皆 色を失って黙祷

歌順18番

これでもかこれでもかと
灼きつくし
耐えることを
強いてくる
今年の八月

歌順19番

萩原多恵子

八月の
干上がった噴水池
子供への
張り紙
コロナで、、、、

歌順20番

かおる

八月は
父の空
ゴム動力飛行機を
飛ばした空
今も声がする空

歌順21番

はなちゃん

あーん
ブ〜ンって言わなければ
つぶさないのに!
猛暑の八月の蚊は
ヨロヨロヨロヨロ刺す力もない

歌順22番

浜畑裕子

上から三分の一か
下から三分の一か
すっと一本
八月の
画布の水平線

歌順23番

高原伸夫

八月
神国日本が
敗戦で果てたはず
その残党が
今も政権中枢に

歌順24番

吉野正則

親父の誕生日
麦わら帽子と
とりもち棒
そして終戦
八月の思い出

歌順25番

高原美智子

知れば知るほど
塵のように
消されていった
命がよみがえる
八月

歌順26番

清也

八月の
日帰り検診
健康でも
臨死国会
開きません

歌順27番

町田道子

浜辺のすいかわり
どこまでも どこまでも
広がる 千倉の海
遠い 遠い
乾いてしまった八月

歌順28番 第4席

山碧木 星

見たよ
きれいだったね と LINE
二人の
八月にも
虹がかかった

歌順29番

観月

迎え火の
爆ぜる音に
あの人との
八月が
また輝き出す

歌順30番

平澤 薫

灼熱地獄の都会
葉月の夜空に
降り注ぐ 流星群
瞬時に祈る
未曽有の危機 終息を

歌順31番

コバライチ*キコ

葉月光
なんだか違う
この夏の
蝉の声まで
妙に乾いて

歌順32番

浅沼 融

谷間に咲く
花たちの
恋バナに
つき合っている
八月の入道雲

歌順33番

数かえる

葉月の雷雨に
抱き守られた      *抱=いだ
一瞬が
現実に戻る
雨上がり

歌順34番 第5席

藍弥生

八月っていうのに
夏休みも
花火も
夏祭りもないから
恋もできない