2018-11-27 第236回参加歌

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自由詠

歌順1番

柳瀬丈子

抱き寄せておいて
いきなり背負い投げ!
佐太郎兄ちゃんのバカ!
以来 ワタシは
〝与太郎〟と呼んでいる

歌順2番

可不可

小春日和
また会ったね
軽やかに散歩する
近所のおばぁさん
電動車椅子がピンク

歌順3番

関口有美

踏み鳴らすリズム
手が 言う
体が叫ぶ
ダンサーに
乗り移って行く私

歌順4番 第1席

赤井 登

城崎の
洞窟温泉
声だけ

混浴

歌順5番

大貫隆志

ルーティンで埋まる
TODOリスト
切り拓く
ブッシュナイフを
一つください

歌順6番 第2席

酒井映子

錦繍と言っては
畏れ多い
手織り木綿の
晩秋を
生きる

歌順7番

コバライチ*キコ

ようこそオリオン
見えないゴジラ座
冬ごしらえの天空は
なにもかも見通して
輝く

歌順8番

藍弥生

フランス語って
語学ではなく
文化だ!!
そう思えば
楽しい?!

歌順9番

範子

魚は
冷たい海で
身が締まるとか
潜ってみるかと
ダイエット夢見る

歌順10番 第1席

吉野正則

「なる」と「ある」
一文字違いでも
大きな差
親になるのと
親であること

歌順11番

寒苦老

捨てなくちゃ

思いながら
いつまでも
消えない君

歌順12番

胸に落ちた
小春日和を
あてにして
この冬も
寒さに向かう

歌順13番

神原美嘉

また1つ歳をとった
5年後10年後確実に老いていくのだ
血の通った
真っ赤なもみじが
心に凍みる

歌順14番 第3席

鮫島

新幹線の隣の席
じじいが座る
あ〜あ
お互い苦笑い
二時間 酒でも飲むか

歌順15番

平澤 薫

秋の瀬
夕日に向かい
弧を描く
雁行の旅路      *雁行=がんこう
愈々 冬支度

歌順16番

青木栄子

冬めく色の夕陽って
染み込んでくるのだな
空気にもHeartにも
細胞の記憶の中にも
懐かしい未来の顔をして

歌順17番

町田道子

触れれば
パリンっ て割れそうな
まんまるな 月
薄雲に囚われそうで
走って走って 追いかけて

歌順18番

田中きみ

本当の恋は10代で
20歳ともなれば     *20歳=はたち
恋のふりして
ちょっかいを出す
泥棒猫

歌順19番 第2席

かおる

つくばいに
赤い金魚揺れる
いいえそれは
一枚だけ紅葉した
秋が映っているの

歌順20番

大橋克明

セビリアの
彼奴が
今日もやって来た
床屋でも行って
頭 すっきりしてこいや

歌順21番

観月

初めて聞く駅名に
ドキドキ
乗り間違っても
戻れば良い、と
わかってるんだけど

歌順22番 第2席

はるか

泣きたいくらい
雲一つない秋空に
笑うしかない現実
ハナミズキの赤い実
ポトリ落ちて

歌順23番

今井幸男

白、黒
黒、白
肉弾嬢の変奏曲
白、青
黒、黒

歌順24番 第3席

山碧木 星

紅葉の絵画を
手繰り寄せるかのように
ケーブルカー
わっし わっしと
傾斜31度を登っていくよ

歌順25番

西部 稔

桃太郎侍も
暴れん坊将軍も
水戸黄門もない今
勧善懲悪は
下町ロケットだけかなぁ

歌順26番

岡本まさ子

枝から
三行半
もらったように
泣きながら
はらり 散る

歌順27番

高原伸夫

記録だ、メダルだと騒ぐ
オリンピックなんて
ただの巨大運動会
3兆円も掛けるなんて
本当にバカげてる

歌順28番

高原美智子

自分の幸せを
誰かに返すの
友は
当り前のように
そう言った

題詠 「捨てる」

歌順1番 第2席

柳瀬丈子

蛇は
脱ぎ捨てた
自分の殻に
何の興味も示さない
生まれ直したのだから

歌順2番

可不可

まだ食べてるの?
捨て猫みたいな食欲ね
腹も身のウチだよ
もういい加減に・・・
お皿舐めないでね

歌順3番

関口有美

捨てがたい
言葉と
対話して
短い五行に
押し込む 思い

歌順4番

赤井 登

捨てたのに
たまってしまう
シャツ・パンツ・・・
何故なのかを
ユニクロに問う

歌順5番

大貫隆志

捨て犬の
目の鋭く強く
我もまた
一匹の
野良でありたい

歌順6番

酒井映子

破れた夢の 欠片  *欠片=かけら
捨てられず
抱いている
その未練が
魅力でもある男

歌順7番

コバライチ*キコ

捨てるのではなく
放つ
時が来たらきっと
かたちを変えて
現れるだろう

歌順8番 第3席

藍弥生

男は捨てない
手放すだけ
あとで
拾うかも
しれないから

歌順9番

範子

捨てられた
ペットたちは
哀しみと無垢な目
私は
絶望と怒りの目

歌順10番

吉野正則

いらないものは多いけど
まずは
ものごとの成否を
たびたび思い惑う
自分を捨てようかな

歌順11番

寒苦老

君の
想い出は
みんな捨てた
残っているのは
笑顔

歌順12番

フェンスを越えて
樹々の赤い実
ゴミ捨て場にも
秋を
連れて来て

歌順13番

神原美嘉

何を得て何を捨てた
それが正解かどうかは
金でも富でもない
今日の終わりの
ほっこり感

歌順14番

鮫島

ひまわり内科
  やぶ内科
  あぶ内科
  すて内科
  かね内科

歌順15番

平澤 薫

煩わしい過去など
さっぱり捨てよう
人生は砂時計
限りある大切な時を
私らしく笑顔で穏やかに

歌順16番

青木栄子

捨てるものが多いほど
得るものが多いと人のいう
欲を出せば 元も子もない
欲こそ捨てよう
それこそが 幸せの秘訣

歌順17番

町田道子

忘れようと思っても
捨てようと思っても
捨てきれないもの
ちょっと
裏道りの 恋

歌順18番

田中きみ

柵も絆も        *柵=しがらみ
捨てて行きたい
姥捨て山へ
でも老体には
無理

歌順19番

かおる

捨てる
ところが
美味しい
皮も種も
女も

歌順20番

大橋克明

何でも
捨てる覚悟があれば
もう少しましな歌
書けるはず
言葉の屑ひろい

歌順21番

観月

コンビニのレシート
右手で
クシャっと握り潰し
このモヤモヤと一緒に
投げ捨てる

歌順22番 第1席

はるか

辛い過去も
楽しい思い出も捨て
童女となった母の
落ち葉拾う帽子に
赤とんぼ

歌順23番

今井幸男

ここいらが潮時かな
惰性でやってきたことを
一つ捨てる
まだまだ 新境地を
開拓したいから

歌順24番

山碧木 星

緩やかな
冬至という峠を越えて
一日は         *一日=いちじつ
夜を捨て
昼を拾っていく

歌順25番

西部 稔

些事を
捨て
茶飯事を
拾って
歌作り

歌順26番

岡本まさ子

断捨離
ものに
終着なくした
自分を
捨てる

歌順27番

高原伸夫

日本人の好奇心の強さは
捨てたもんじゃないと
愛知万博も これだった。
身についた尻軽体質で
またぞろ 大阪だ。

歌順28番

高原美智子

どんなにイヤな日でも
捨てられないよ
一生に一度だけの
今日という日
愛おしい