題詠(「そこに」)
2020-11-24開催(麹町)/第260回参加歌 歌順3番
そこには誰かの新築住宅
父母が暮らした月日など
この大地には
記憶にも残らぬ
些細な時間
5件のコメントがあります
そこにはただ風が吹いているだけ
この歌が好きです
そこで暮らした時間だけは、作者の記憶に残っていく
コメントありがとうございます。
先日帰省したら、半年位なのにあまりの変化に実家のあった場所を通り過ぎてしまうところでした。
幼い頃そこは広大な畑の一角でした。日高の山々が下から頂上まで見えていました。開拓前はアイヌ民族やキツネや熊の土地だったかもしれません。そんなことを考えました
痕跡すら消されて新しいページとなっている。寄る辺を消し去られた寂しさだろうか。
大きなものに対して人の営みの小ささ 愛おしさを感じました。
不思議なもので家が壊されるとそこにどういうものが
建っていたのか思い出せないのですよね。
記憶にも残らぬ 些細な時間
ほんと大地から見れば一瞬でも、ね、寂しいものです。
両親が暮らしていた家の後に、新しい住人が家を建てたのですね。
大地は去る者を追わず来る者を拒まず。
そして人の一生は、大地の時間から見ればほんの一瞬ですらないのかもしれない。
と思えど、淋しい作者の気持ちが伝わります。
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