自由詠
2020-04-28開催(麹町)/第253回参加歌 歌順9番
新緑の影をゆらして
目眩をさそう
あの日の
あなたは
いつつとしうへ
7件のコメントがあります
20代の前半、クライアントの新任の女性から挨拶を受けました。
「・・・よろしくね」と微笑まれ・・・\♡/。
それからわずか半年後、寿退社されて海外へ。
年賀の交換を今でも続けておりますが、今はタメ口をたたいています。
懐かしい大切な思い出なのかなと伝わってきます。
皆さんもおしゃってますが五行目に惹かれますね。
いつつとしうへ
何度も読み返して「あの日のあなた」に思い巡らします。
いつつとしうへのあなたとの距離感か憧れの大きさなのか、物語を感じます。
年上ではなく、平仮名で、としうへとされたのは、へ、にされたかったからでしょうか?
〜へ、と手紙のようです。
5行目の平仮名遣いに手招きされました。
違う日のあなたは、いくつ違いの人だったのかなぁ~などと妄想させる「いつつとしうへ」
5行目から受ける不思議な感覚。敢えての平仮名、「え」→「へ」変換。アオハル(青春)が甦る、魔法の言葉なのか?眩しさと甘酸っぱさが広がりました。
「いつつとしうへ」―ひらがなでそして旧かなづかいで書かれたこの一行。
少年の日の記憶なのか。
それとも目眩をしそうな5月の陽光のなかでの、幻影なのか。
「あの日のあなた」は五つ年上、じゃあ「今のあなた」は?
と思ったところで、「あなた」はもう故人であり、歳を重ねることができない方であると推測しました。
過去や彼岸と、現実との境界線があやふやになっているところが魅力的です。
次を読み込む
コメント投稿
※会員の方のみコメントを書くことができます。⇒コメントを投稿する