自由詠
2020年 年間総合第2席
2020-03-24開催(麹町)/第252回参加歌 歌順26番 第2席
骨壺は
あんなにも
小さかったか
一生は入りきれない
一夜の夢を焼いたのだ
13件のコメントがあります
皆様コメントありがとうございました。16歳離れた姉を1月亡くしました。映子さんのコメントで
得心がいきました。東北・関東と関西では骨壺の大きさが違うのですね。苦労の多かった姉の最後の
形を小さな壺に入れてしまった切なさです。
骨壺に向かえばその変わり果てた有様に、一気に蘇る亡き人の存在感、
4、5行目のドラマチックな語りに☆☆☆
目に見える容れ物と掴み切れない人生を対比させて
すべては一夜の夢と言い切るラストがあっぱれです。
もうこれは、全国大会かユニバーシアードクラスの歌。
こんなにも、ではなく あんなにも この距離感が作者との関係性を??とさせておき
五行目にはいると、その距離を一気に縮める。
見事なお手並みでした。
★★
骨壺の小ささと、生きるの壮大さと、夢の儚さ。
言葉を巧に対比させたドラマティックな演出は凄し。
達観した寂寥感の漂い方もイイ~!
上手いなぁ、と思いました。
特に五行目が好きです。
残された人にとっては一夜の夢
逝く人にとってはほんの少しだけ残す
残された人への伝言なのかもしれませんね
我が家の近辺では 骨上げの後
頭骨以外の残りの骨を職員が拾って骨壺に入れ
入りきらないので骨上げ用の箸で突っついて砕き沈め
その上に喉仏と頭骨をのせ蓋をします
焼いた遺骨さえ砕かないと骨壺に入りきれない
ましてや人の一生は「…夢幻の如くなり」なんて云われても
骨壺に入りきるわけがないですね
見送った人生の様々な感慨は骨壺を溢れて
その人の一生のあれこれが走馬灯のように
流れていくのだろう。それが供養なのだろう。
最後の最後にも
骨は語りかけてくれるものなんだなと
思いますね。
ウーム。一生も一夜もそう変わりはないようにも思うが・・・。
一生も一夜の夢も、本人が全部持って行ってしまうのです。
残された者の胸には思い出だけ。
余談ですが、関東と関西では、遺骨を入れる壺の大きさがちがうみたです。
関東では遺骨を全部いれるけど、
関西では大事な部分だけ。だから掌に乗るほどの大きさです。
波乱万丈の人生だった
お袋の骨壺が脳裏に浮かんできましたよ
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