自由詠
2018-06-26開催(麹町)/第231回参加歌 歌順8番 第1席
人ひとり
抹殺してみる
あの人が私にとって
どんな存在なのか
解らなくなったので
6件のコメントがあります
皆さま~
「殺」などという字で驚かせてすみません。
手元のアドレス帳を見直していたら、名前は載っているけど30年以上も音信もない
人がいて、その人とは特に印象に残る出来事があったわけではないし、
削除しちゃおうかな・・・でも、それでいいのかな・・・
などと考え込んだ歌です。
人ときちんと向き合う人が書くお歌ですね。誠実な感じをうけました。1~2行の入り方にドキンとしましたけど。
周りの人々に、私がどんな存在なのか
常に査定されていて
解らなくなると抹殺もされると思うと、
ほとんどの場所で意味無く存在している私は
ちょっと怖い感じもします…
私は私、あるがままに存在し続けるしかないし
それで、不本意な査定が出たり、抹殺されても、
それはそれで仕方ないことだと思いますが…
まだ、殺されていないようなので、安心しました。
一行目の「人」がチョー効いています。
「抹殺」という使いなれない、避けるような言葉なのに
すかっと清々しいい気持ちになるのがこの歌のすごいところ。
誰の心の中にでも「私にとってのどんな存在?」をもって
いるということですよね。
今年何回目の表紙歌でしょうか~おめでと!!
抹殺 という強い言葉を敢えて使って成功するのが酒井さんですね。
たら れば などと生っちょろい考えではなく、根本から考え直してみようとする、人へのまさに真剣勝負な向合い方に清々しささえ覚えます。
文句なしの一席、おめでとうございます。
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