自由詠
2018-06-26開催(麹町)/第231回参加歌 歌順3番 第3席
葬式に向かう
婆さまたちの
祭りに行くような
明るい笑顔
写真展の一枚
9件のコメントがあります
きみさんのとってもピントの合った歌を産れさせる、名写真家の一枚を、読み手も見ている気にさせますですね。
状況は違うかもですが私も少年期に
祭りのように賑やかな葬式を体験しているので
5行目が無いほうが臨場感があってよりいいのではと思ったのですが
間接体験を直接体験のように詠ってしまうと
写真家の手柄を横取りしたようになるので
良心的に五行目が必要なのですね
この歌は、写真家を讃える歌なんですね
いくつもの見送りを体験していくと、いずれこうなるのだろう。
私たちにもそんな予感がある。生も死も混じったような道を歩いていくのだ。
それもみんなで、ワイワイと。
これぞ「きみちゃんの歌」って感じですね。
「婆さまたち」「祭り」に行くような
ぱっと情景が目に飛び込んでくるようで
ひきつけられました。
作者に成り代わりの映子様
ありがとうございます。その写真家知らなかったのでググってみました。ほぼ予想通りで驚きました。
この歌には、そう想像させる力があります。モノクロとはどこにも書いてないのにそんな気がしました(続)
おっしゃる通り「婆さまたち」がこの歌の雰囲気を作っています。葬送という非日常的な営みは、祭りと同様の昂揚感をもたらすかのようです。逞しささえ感じます。
「婆さまたち」という表現で、都会に住む老齢婦人でないことがわかります。
その地に何十年も生きてきた女にとって、死は悲しいというより、一種の成就感があるのではないでしょうか。
明るい笑顔がよく解ります。
作者のコメントで、その写真展は、「内藤正敏の異界出現」であると明かされました。
私も観ました。
きみさんの故郷に近い湯殿山周辺の、即身仏や古来の慣わしの写真がたくさんありました。
たくさんの婆さまが、いい笑顔でした。
なんかいいなぁ~こういうの。
きみさんは見たままを書いたとおっしゃるのでしょうけど、的確に伝わってくる巧みな言葉運びです。
実際には見ていない私までその写真に引き込まれてしまいます。土俗的な、モノクロ写真のような味わいがあります。
おそらく大往生なさった方のご葬儀でしょうね。
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